戸建住宅のメンテナンス内容は?修繕時期と場所について解説

戸建住宅は適切にメンテナンスをすれば長持ちします。建てたら終わりではなく、適切な修繕時期を把握して補修や改修をしながら使うことで、長持ちします。

注文住宅を検討中の方もすでにマイホームをお持ちの方も、住宅のメンテナンスの時期について知り、住まいの寿命を延ばしていきましょう。

1.住宅の耐用年数とは?過ぎても住めなくなるわけではない

木造住宅の法定耐用年数は22年ですが、「法定耐用年数」は国が決めた減価償却費計算上の年数です。実際に住めなくなる「戸建住宅の寿命」や、「物理的耐用年数」とは異なります。

木造の戸建住宅は、自然災害による損傷やシロアリなど大きなトラブルがなければ、30年ほどは住めるといわれています。きちんとメンテナンスをすれば、快適に住み続けることができます。

2.住宅の定期メンテナンスのメリットとは?

長く住むと家にもさまざまな不具合が出てきます。定期点検で早期発見し、対策して得られるメリットをご紹介します。

2-1.耐久性や快適性を維持し安心して暮らせる

日本は高温多湿で、地震や台風も起こりやすい国です。木造住宅は自然災害を想定して、耐震性、耐火性、防水性、防湿性などを高めて施工されます。ただ、20年や30年暮らせば、どうしても経年劣化は避けられません。

定期的に検査を行い、「ここはまだ大丈夫」「この部分は早めにメンテナンスをしておいた方が良い」の判断をし、必要に応じて補修することで家の寿命を延ばせるのです。

家は快適に暮らすだけでなく、住む人の健康と命、財産を守ってくれるもの。信頼できる住宅会社選びが大切です。

2-2.定期点検と早期メンテナンスで節約できる

定期点検で劣化や不具合を早期発見し、メンテナンスをすれば軽微な修理ですみます。例えば外装のシーリング補修を行わずに放置したことが原因で、壁内部に雨水がまわり、内部や断熱材が濡れて劣化やカビの原因になることも。

そうなる前に予防した方が、結果的にメンテナンス費用が少なくてすみます。

3.住宅メンテナンスの時期とポイント

修繕費用が大きくかかってくるのは築20年を過ぎたころから。

ここに挙げたメンテナンスを全部しなければ劣化が早くなる、ということではありません。

しかし、雨風や湿気、紫外線に影響を受ける外周部は特に、定期点検を欠かさず行いましょう。外出先から帰ってきた時に、少し気をつけて全体を見る習慣をもつだけでも、家の変化に気づきやすくなります。

新築から築10年新築の場合は、内装はあまりメンテナンスの心配はないでしょう。
外壁にシーリング(コーキング)がある場合は、5年を過ぎたあたりから目視チェックをしてください。シーリングとは、外壁同士の継ぎ目や外壁とサッシ枠の間にあるゴム状のもので、防水の役目をしています。シーリングは、5~10年ごとに増し打ちや補修などのメンテナンスが必要です。
築10~15年外装のクリア塗装や再塗装(塗り替え)、バルコニーの防水なども再塗装が必要になってくる時期です。
壁をさわると白い粉がついてくる「チョーキング現象」を見つけたら劣化のサイン。外壁は、周辺環境(海沿い、交通量の多い道路に面している等)によっての劣化が早く進むことがありますので、症状があったら早めに再塗装の検討をおすすめします。
シロアリ予防の薬剤効果は約5年。シロアリの保証期限が過ぎたら再塗装をしましょう。
エアコンや冷蔵庫など大型家電や、給湯器などの寿命は約10年と言われています。突然の故障に備えて、買い替え予算を用意しておきましょう。壊れる前に買い替える方が省エネになることもあります。
築15~20年外部の水回り(屋根、ベランダ防水、雨どい)の補修が必要になることがあります。台風のあとだけではなく、定期的に点検をしておきましょう。
屋根や雨どいは高所作業になるため、自分で屋根に上がろうとするのは大変危険です。専門業者に点検を依頼しましょう。
築20~30年トイレやキッチン、浴室が古びてきたり、給排水が壊れたりすることが増えます。
また、新築時に比べて年月も家族のライフスタイルも変化し「使いづらい」と感じることが増えてきます。今後迎える高齢期も、自宅で安全・快適にすごすために、メンテナンスと同時にリフォームをする方も増えてくる時期です。
便器交換と同時に手すりを設置したり、ユニットバスの浴槽を段差の少ないものに変えたりと、気になっている工事はまとめて依頼する方が費用を抑えられます。
余裕があれば、フローリングや壁材の交換もよいでしょう。

4.住まいのメンテナンス費は計画的に貯めましょう

自然災害が原因で家が壊れた場合は、火災保険が使えることがあります。

しかし、経年劣化による住宅のメンテナンスでは、基本的に火災保険は使えません。

修繕に大きなお金がかかる時は、子どもの進学や親の介護、自身の健康問題など大きなお金が必要になる時期と重なりがちです。そのためマイホーム取得と同時に、少額でも修繕費の積み立てをスタートすることをおすすめします。

住まいは一生のお付き合い。建てる時だけでなく、メンテナンスも見据えた会社選びをしましょう。

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