東京ゼロエミ住宅の助成制度とは?令和6年度の申請期間や補助金額など条件を解説

東京ゼロエミ住宅とは、高い断熱性能の断熱材や窓を用いたり、省エネ性能の高い照明やエアコンなどを取り入れた、人にも地球環境にもやさしい東京都独自の住宅です。

断熱性能と設備の省エネ性能に応じた3つの水準があり、水準に応じて助成金を受けることができます。

なお、シンクタウンでは、現行水準1、新水準C(太陽光発電等の原則設置要)を標準性能としております。この記事では、「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」の制度概要と変更点を解説します。

東京ゼロエミ住宅解説記事

記事のポイント

  • 「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」は都独自の基準を満たした省エネ住宅
  • 助成対象は、都内の新築住宅(戸建住宅・集合住宅等)で床面積2000㎡未満が対象
  • 現行水準(水準1~3)から、新水準(水準C~A)へ基準変更。新水準では、再エネ設備(太陽光発電設備等)の設置が原則要件化
  • 併用できる助成金の一覧

東京ゼロエミ住宅導入促進事業とは?

東京ゼロエミ住宅導入促進事業とは、省エネ性能の高い「東京ゼロエミ住宅」の基準を満たし認可を受けた住宅を新築した建築主に対して、費用の一部を助成するものです。令和6年に制度が見直され、基準が変更されます。

ゼロエミッションとは?

エミッションとは、「放射物」や「廃棄物」のこと。具体的には、光や熱などの放射、発射、放射物、煙突や車のエンジンなどからの排気、排出、排出物などを指します。

建築物においては、二酸化炭素排出量や産業廃棄物量などを減らす取り組みを「ゼロエミッション」「ゼロエミ」(略称)と呼びます。

東京ゼロエミ住宅とは?適合条件とは?

「東京ゼロエミ住宅」とは、断熱性能が高く、省エネルギー・創エネルギー性能を高めた住宅です。具体的には、「東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱・東京ゼロエミ住宅指針」の指針をクリアし、認証を受けた東京都内に建てる新築住宅を指します。

画像出典:「東京ゼロエミ住宅」とは?|東京都環境局

なお、「東京ゼロエミ住宅」において、必ず適合するべき条件は以下の通りです。

  • 窓:熱貫流率 2.33W/平方メートル・K以下
  • ドア:熱貫流率 3.49W/平方メートル・K以下
  • 照明設備:全室LED(玄関、トイレ、洗面・脱衣所、廊下、階段及び階段のうち1箇所以上は人感センサー付)
  • 暖・冷房設備:高効率エアコン設置(省エネラベル4★または5★)
  • 給湯設備:高効率給湯器
  • 太陽光発電システム:再エネ設備を原則設置(2024年9月~)

出典:「東京ゼロエミ住宅」基準の多段階化について(一部改正)|東京都環境局

ZEHと東京ゼロエミ住宅の違いは?

「東京ゼロエミ住宅」に似たもので、「ZEH(ゼッチ/Net Zero Energy House)」があります。

ZEHが外皮平均熱貫流率が0.6W/㎡K以下(数値が低いほど、熱の出入りが少なく断熱性能が高い)であるのに対し、「東京ゼロエミ住宅」では0.35以下(水準A)から0.60以下(水準C)と、より高い基準になっています。

ZEHは国が補助しているのに対し、東京ゼロエミ住宅は都が補助しています。ZEHとの助成併用はできない点に注意してください。(東京ゼロエミ住宅と併給できる助成については後述)

令和6年に変更される東京ゼロエミ住宅のポイントは?

東京ゼロエミ住宅の基準が2024年10月1日から変更されます。2024年9月30日までは水準1(低)~3(高)の3段階、2024年10月1日からは水準A(高)~C(低)の3段階です。

基準と助成額が変わる

2024年10月1日より、現行基準の「水準1」と「水準2」が統合されて、新基準「水準C」に、現行基準の「水準3」が新基準「水準B」になり、水準Aが新設されます。

画像出典:「東京ゼロエミ住宅」とは?|東京都環境局

水準の改正に伴い、助成額も変わります。

現行基準の「水準3」と新基準の「水準B」が同等で、助成金額は210万円から160万円に下がります。検討中の方は注意が必要です。

画像出典:「東京ゼロエミ住宅」とは?|東京都環境局

新基準では再エネ設備が原則設置に

2024年10月1日からの新基準では、再生可能エネルギー設備(太陽光発電設備、太陽熱や地中熱の利用設備等)の原則設置が要件に加わります。

何kW以上などの発電容量制限は設けないものの、「東京ゼロエミ住宅」ではポータブルパワーコンディショナの設置は必須となります。

ただし、屋根が狭小(面積等の基準あり)で太陽光パネルを設置できない場合は、設置は要件化されません。

参考:東京ゼロエミ住宅 令和6年度制度改正の概要|東京都環境局

新基準施行日前後は申請スケジュールに注意!

現行基準から新基準に切り替わるのは、「東京ゼロエミ住宅の認証審査機関に対して、設計確認申請を行った日」です。また、助成金受付の締め切りは例年、最終営業日の17時必着・17時までに電子申請を完了しなくてはなりません。

画像出典:「東京ゼロエミ住宅」とは?|東京都環境局

東京ゼロエミ住宅のメリット

東京ゼロエミ住宅のメリットは、高断熱・快適に暮らせる住宅ということです。建物内の室温差が少ないため、快適に過ごせることはもちろんのこと、寒い脱衣所から熱いお湯に浸かり血圧差が原因で起こるヒートショックも未然に防げます。

省エネ・創エネ住宅で暮らすことで、エコな暮らしができ、水道光熱費が節約できます。適切にメンテナンスすれば家が長持ちし、次世代に受け継ぐことも可能です。

東京ゼロエミ住宅の注意点やデメリット

東京ゼロエミの助成金を受けられるのは「新築住宅」です。既存住宅のリフォームは助成金を受けられません。

デメリットといえば、申請作業が煩雑であることです。

  • 補助金申請するためには工事着手前に認証審査機関に申請が必要
  • 申請内容に変更が出た場合はすぐに提出が必要
  • 電子申請により交付申請を行った場合、実績報告等も電子申請で行わなくてはならず、紙による申請への変更は不可(紙から電子申請も同様に変更不可)

東京ゼロエミ住宅と併用できる助成金

東京ゼロエミ住宅と併用できる助成金、併用できない助成金があります。

併用可

  • 「子育てエコホーム支援事業」
  • 「地域型住宅グリーン化事業」
  • 「こどもエコすまい支援事業」
  • 「子育て支援型共同住宅推進事業」
  • 「東京ゼロエミポイント」(冷蔵庫の買替のみ)
  • 「東京こどもすくすく住宅供給促進事業」
    ※こどもすくすく住宅のうち、東京ゼロエミ住宅の助成金を受ける住戸以外の住戸及び共用部分等が対象

併用不可

  • 「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化支援事業」
  • 「次世代ZEH+実証事業」
  • 「集合住宅のCO2化促進事業(ZEH-M)」
  • 「LCCM住宅整備推進事業」
  • 「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費 補助金(給湯省エネ事業)」
  • 「東京ゼロエミポイント」(エアコン、給湯器及びLEDの買替)
  • その他東京都環境公社(クールネット東京)が実施している「太陽光発電設備」「蓄電池」「エコキュート」「エネファーム」「V2H」等に対する助成事業(一覧は外部リンク https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy)

出典:助成制度|東京ゼロエミ住宅

まとめ

「東京ゼロエミ住宅」は、東京都が推進する“ ひとにも地球環境にもやさしい住宅 ”です。

高断熱の住宅は、建物内の温度差が少なく快適に過ごせるうえに、冷暖房費も抑えられます。

「東京ゼロエミ住宅」は適切に設計・助成金申請をすれば、建て主様にメリットの大きい制度です。検討されたい方や申請にお悩みの方は、シンクタウンにご相談ください。

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